院長ご挨拶
こんにちは。富士見台歯科 院長の村木英司です。
当院は桜川市富士見台で地域の皆様のお口の健康を支えるお手伝いをしております。安心して通院いただけるように感染症対策にも力を入れておりますので、お口のお悩みはぜひ当院までご相談ください。
院長紹介
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似顔絵
患者さんが書いてくれました。カッコよく書いてくださってとても感激です。
こんなこと勉強してます
【論文要旨】
[目的] エナメル上皮腫はWHOの分類で,歯原性良性腫瘍の「歯原性上皮で成熟した線維性間質を伴い,歯原性外胚葉性間葉組織を伴わないもの」に当る歯のエナメル器の組織構造を模す腫瘍である。Notchシグナルは形態形成や細胞の分化を司る代表的な転写調節因子であり,特に細胞分化の中でも側方分化に重要な役割を持っていることが知られている。そこで,この細胞分化を司っているNotchシグナルについて,エナメル上皮腫における細胞分化の観点から追究した。
[方法] 今回の研究材料は,愛知学院大学歯学部口腔病理学講座にて取り扱われエナメル上皮腫と診断され症例の中から病理組織学的に再評価したWHOの典型的な「Solid/Multicystic Type」の40症例である。免疫組織化学的手法(IHC) によって,NotchとそのリガンドであるJaggedの発現の分布状態を検討した。検索症例は,その病理組織像から次の ①立方形の基底細胞,②円柱形の基底細胞,③エナメル髄陽細胞,④扁平上皮化生部,⑤間質線維芽細胞,の5者に区分して行った。IHCの判定はその平均陽性率CS-Indexによった。
[結果と考察] IHCの検討で,Notchシグナルは増殖した濾胞型のエナメル上皮腫の胞巣の基底部の細胞が強く反応し内部の星型細胞は若干弱くなる傾向が伺われた。これらの傾向はJaggedについてもほぼ同様であった。これを,CS-Indexによって検討した所,まずエナメル上皮腫の胞巣の基底細胞について,NotchとJagged ともに小型立方型の細胞ではその発現が弱く,円柱形の者のほうがその発現が強い事が判明した。これは,その形状から,立方形細胞の方が分化もその発現が認められた。以上の結果から,Notchシグナルの発現は,エナメル上皮腫の腫瘍細胞の分化と細胞性格の獲得に何らかの関与のある事が示唆された。